子どもが産まれると、いざという時のために生命保険をどうしようか考えますよね。
果たして生命保険会社の人の言葉は本当なのでしょうか?
この記事では、
- これから生命保険に入ろうと思っている教員
- 生命保険を見直しをしようかと思っている教員
- 生命保険の保障額をいくらにすればいいか悩んでいる教員
- どこの生命保険に入ればいいか悩んでいる教員
に向けて
について解説します!
結論から先に言うと、
- 保険は掛け捨てがよい
- 我が家は、子ども一人につき保障額920万円あれば足りる
ということになりました。
我が家に合った保障額はどうすればわかるのか?
それは、「教員が死亡したときにもらえるお金」について考えれば知ることができますよ!
無駄なお金を支払わないことで、健康に生きて子どもと一緒に過ごせる時間に大切なお金を使いましょう!
そもそも子ども一人育てるのに、いくら必要か?
子ども一人育てるのに必要な基本的養育費と教育費は、以下のようになっています。
- 約1751万円…(出産・育児費用、食費、レジャー費、住居・光熱費、生活用品費、衣食・服飾雑貨費、娯楽・嗜好費、医療・保健衛生費、おこづかい、その他)
- 保育所(1~6歳まで6年間)199万円※
幼稚園(3年間) | 公立 | 63万円 |
私立 | 149万円 | |
小学校(6年間) | 公立 | 192万円 |
私立 | 922万円 | |
中学校(3年間) | 公立 | 144万円 |
私立 | 402万円 | |
高校(3年間) | 公立 | 123万円 |
私立 | 297万円 | |
大学(4年間) | 国公立 | 485万円 |
私立文系 | 695万円 | |
私立理系 | 880万円 |
- 出典:子ども応援だよりWEB版子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会
- ※保育所は、公私、地域、世帯年収によって大きく異なります。
- 学校に通うために費用、習い事など学校外での教育費が含まれています。
教育費シミュレーションでは、「学校に入るときにまとまってかかるお金」であるイニシャルコストのみを計算していました。
これは、自分たち親が元気で働いていればイニシャルコストの準備だけで十分やっていけるからです。
しかし、今回は自分の身にもしものことがあった場合の想定です。
なので、イニシャルコストの他に、
- 「毎月かかる教育費」ランニングコスト
- 学校外での教育費(習い事など)
も想定しておく必要があります。
教職員が死亡したときに得られる保障
教職員が死亡した時は、遺族は遺族年金がもらえます。
詳しくいうと公務員や会社員は、遺族基礎年金と遺族厚生年金がもらえます。
他にもほとんどの教職員が入っている公立学校共済組合、教職員互助組合からもお金がもらえます。
子持ち教職員がもらえる遺族基礎年金
18歳到達年度の末日までの子がいる家庭でもらえます。
もらえる金額は、以下のようになります。
- 基本額 年780,100円
- 子ども一人当たりにつき 年224,500円加算(第一子、第二子)
- 第三子からは、子ども一人当たり 年74,800円加算
つまり、高校生までの子どもがいる家庭には、基本額の年780,100円と子ども一人につき加算がつきます。
子持ち教職員がもらえる遺族厚生年金
【結論】もらえる遺族厚生年金の金額
ずばり
- 夫がもらえる額は、0円(妻死亡の場合かつ夫55歳未満の場合)
- 妻がもらえる額は、年間50万円(教員である夫死亡の場合)
遺族厚生年金の仕組み
まず覚えておいてほしいことは、遺族厚生年金の金額は以下のようになります。
- 死亡した本人が受け取るはずだった老齢厚生年金の3/4
老齢厚生年金の金額は、「ねんきん定期便」を確認するとわかります。
しかし、子育て世代の受け取る予定の老齢厚生年金の額は、まだとても少ないはずです。
そこで教員には、遺族厚生年金の最低保証額というものがあります。
- 遺族厚生年金の最低保証額=年間50万円
なので、この記事を読んでいるだろうだいたいのみなさんは、まず遺族厚生年金は年間50万円もらえるだろうと考えてもらってよいかと思います。
遺族厚生年金を受け取るための条件
- 妻であること、もしくは55歳以上の夫であること
- 亡くなった本人が、死亡時に厚生年金に入っていること
- 夫婦が生計を共にしていること
つまり、男性か女性かによって、遺族厚生年金をもらえる条件が異なるのです!
昔の夫婦は、男性が外で働き、女性が主に主婦かパートがほとんどでしたよね。
なので、遺族厚生年金は、
- 夫が亡くなったときには、妻は年齢的には無条件で遺族厚生年金がもらえる
- 妻が亡くなったときに、夫は55歳以上なら遺族厚生年金を受け取る権利がもらえる(実際の受け取り開始は60歳から)
はっきり言ってしまうと、「男は稼げるから遺族厚生年金なくても大丈夫だよね!ガンバ♪」ということです。
他にも、遺族厚生年金の最低保証額を受け取るためには条件があります。
- 死亡時に、亡くなった本人が厚生年金に入っていること
仮に先月までは教員で厚生年金に加入していたのに、今月から退職して起業をし、国民年金に切り替わっていたところで本人が亡くなった場合、最低保証額の50万円は出ません。
「ねんきん定期便」の3/4の額が出ます。
さらに、遺族厚生年金をもらうための重要な条件がもう一つあります。
- 夫婦が生計を共にしていること
もちろん単身赴任等でやむを得ず生計が別になっている場合は大丈夫です。
その他の理由で生計が別となっている場合は、ケースバイケースとなるそうです。
おまけ:パートナーが自営業、会社員の場合
自営業(国民年金)の場合は、遺族厚生年金はありません。
- 過去に会社員で厚生年金に入っていた時期があれば、ねんきん定期便の3/4がもらえます。
- 遺族厚生年金が出る場合、受給資格は教員と同じです。
会社員の場合は、次のサイトを参考にしてください。
- あくまで目安として考えてください。
- 受給資格は教員と同じです。
公立学校共済組合からもらえるお金
組合員本人が公務外で死亡した場合
埋葬料…5万円
埋葬料付加金…2万5千円
これらは自動給付でなく、【要請求】なのでご注意ください!
おそらく全国同じ金額だと思いますが、地域によって異なる金額であったらご容赦ください。
教職員互助組合からもらえるお金
本人弔慰金…100万円+遺子分
こちらも自動給付でなく、【要請求】なのでご注意くださいね!
こちらも地域によって異なる金額であったら、ご容赦ください。
本当に必要な民間保険の保障額を計算してみよう
以上を踏まえたうえで、子ども一人につき必要な民間保険の保障額を計算してみましょう!
今回は、我が家の家族構成を想定して計算します。おそらくごく一般的なケースになると思います。
【今回の想定】
- 家族構成…夫、妻、子(一人)
- 夫婦共働き
- 子どもが0歳の時に教職員である夫が一人死亡した場合
- 教育は、幼稚園から高校まで公立、大学は私立理系
必要な金額
- 基本養育費…1751万円
- 教育費…1402万円
- 葬式代…200万円
合計 3353万円
もらえるお金
- 遺族基礎年金+子の加算(18年間)…18,082,800円
- 遺族厚生年金(最低保証額50万円×18年間)…900万円
- 公立学校共済組合…72,000円
- 教職員互助組合…100万円(遺子分は金額不明のため、今回の計算からは省く)
- 児童手当(18年間)…198万円
合計 30,134,800円
必要な保障額
(必要な金額)33,530,000円 ー (もらえる額)30,134,800円
=3,395,200円
きちんと計算してみたら、実は民間保険の保障は子ども一人につき約340万円あれば十分ということがわかりましたね!
しかも養育費込みの金額ですので、共働き家庭なら、妻が働いている限り金銭的な余裕があるかもしれません。
また、すでにこの金額以上の貯金がある場合は、そもそも保険に入る必要がないとも考えられますね。
逆に妻が亡くなった場合は、遺族厚生年金の900万円がないので、妻のほうの保障を手厚くした方がよさそうですね!
契約前に知っておこう!保険の考え方…保険は掛け捨てで十分
そもそも保険とは何か
おすすめの生命保険について紹介する前に、前提として保険の考え方について知っておいてもらえると参考になると思います。
そもそも保険って何のために入るか知っていますか?
日本政府は日本人の金融リテラシーの現状を把握するため、2016年から「金融リテラシー調査」を行っています。
そこで、保険の基本的な働きについての問題が出されています。
保険は、「リスクの発生頻度は低いが、発生すると損失が大きい場合に有効」が正解となっています。
つまり、「めったにおきないけど、起きたら大変なことになる」というリスクに備えるのが保険です。
貯蓄型の保険は必要なし!掛け捨て保険でOK
貯蓄型の保険というのは、保険にも関わらず、投資や貯蓄の概念が入ってしまっています。
そうなると、本来の保険、投資、貯蓄すべてが中途半端になってしまったり、無駄なお金を支払うことになってしまうのです。
もし投資をしたいのであれば、ネット証券を使って自分で投資信託をした方が断然利回りがよくおすすめです!
保険会社も結局は投資信託などで運用しているので、保険会社が間に立つ分、無駄な手数料を払っていることになり、かつ自分の知らない投資対象に投資されているということになるのです。(つまり、ぼったくりの投資信託と言えます)
また、貯蓄型の保険は、途中で解約すれば返ってくる金額は確実に少なくなります。
保険以外の目的で大金が必要になってしまった場合に、これは心ぼそくないですか?
一方、自分で運用すれば、いつでも必要な時にお金が引き出せますし、投資信託の長期運用であれば増えている可能性が断然高いです。
以上を踏まえて、我が家の保険は掛け捨て保険の一択です!
教職員におすすめの生命保険
我が家が民間生命保険に実際に入る際に、いろいろ調べた結果、教職員であれば教職員共済の「団体生命共済」がベストだと思います。
教職員の方なら見覚えありませんか?
キリンのマークのあれです。職員室の机の上に冊子が置いてあることありますよね。
教職員を組合員とする生協で、厚生労働省の認可を受けています。
教職員とその家族なら加入することができますよ。
教職員共済「団体生命共済」のメリット
- 掛け金がリーズナブル
- 生命保険としての本当に必要な保障が入っていてシンプル
- 割戻金の還元がある
- 家族に教職員がいれば、教職員でない他の家族も加入できる
- 教職員を退職しても継続できる
- 口数でかけられるため、自分に必要なだけの保障調整しやすい
教職員共済「団体生命共済」のデメリット
- 組合員になっていない人は、組合員になる必要がある(ただし加入時に100円払うだけ)
- 高齢になると掛け金が高額になる(しかし、子どもが独立すればそもそも生命保険自体あまり必要ない)
- 手厚い保障がほしい人には物足りない
掛け金と保障内容
教職員共済の「団体生命共済」の掛け金は、口数制度になっています。
自分の必要な口数をかけていくという形です。契約できる口数は、年齢によって異なりますが、60歳までなら1~30口契約できます。
ここでは簡単に紹介します。詳細は資料を取り寄せてみてください。
1口あたりの掛け金
- 40歳以下 月額92円
- 41~60歳 月額263円
- 61~70歳 月額1262円
- 71~75歳 月額2848円
- 76~80歳 月額5149円
- 81~85歳 月額5801円
- 86~90歳 月額9452円
- 21歳以下の子ども 月額92円
1口あたりの保障額
- 死亡・高度障害・・・100万円
- 公務・交通災害死亡・・・150万円
- 障害・・・40万円~5万円
※公務・交通災害死亡の150万円は、所定の公務上死亡または交通災害死亡したときに、死亡・高度障害の100万円にプラスされて支払われます。
我が家のケース
それでは以上を踏まえて、我が家が実際に入っている保障についてご紹介します。
【我が家の基本情報と想定】
- 家族構成…夫、妻、子(0歳)
- 夫婦共働き
- 教育費は、幼稚園から高校まで公立、大学私立理系を想定
- マイホームは買う予定がなく、賃貸
以上の基本情報を踏まえたうえで、我が家に必要な保障金額を考えました。
- 子育てに必要な養育費と教育費…340万円
- 子どもが自宅を離れて大学に通った場合の仕送り…480万円(10万円×12か月×4年)
- 教育費のインフレに備えて少し余裕を持たせたい…100万円
- 夫婦共働きでお互いの給与額から、これ以上の費用がなくてもやっていける
ということで、我が家では920万円が必要ということがわかりました。
なので、我が家では
教職員共済「団体生命共済」
10口…月額920円
- 保障額1000万円
に加入しています。我が家では保障額2000万円もいりませんでした。
この保障額は子どもが0歳の時点での想定なので、子どもが無事成長して、中学卒業、高校卒業などの節目でまた保障額を見直していこうと思っています。
そして、もちろんこの必要な保障額は家庭によって変わってきます。
パートナーの収入、子どもにどれだけ教育費をかけたいかが保証額の変動になってくると思います。
ぜひ、自分のご家庭にあった保障額を算出して、自分ぴったりの保険に入ってくださいね。
まとめ
本記事では、子どもがいる教職員には、生命保険にどれくらいの保障をつける必要があるか解説しました。
【誕生から大学卒業22歳までの基本的養育費】
- 約1751万円
【教育費】
- 1007万円~2650万円
【教員が死亡した場合に得られる保障】
- 遺族基礎年金(子加算あり)
- 遺族厚生年金
- 公立学校共済組合から、埋葬料と埋葬料付加金
- 教職員互助組合から、本人弔慰金+遺子分
【おすすめの保険会社】
- 教職員共済「団体生命共済」
- 40歳以下なら、1口月額92円
- 保障内容…死亡・高度障害、公務・交通災害死亡、障害